水曜日, 9月 02, 2009

ホールで見かけた楽しい仲間 Vol.5

   ホールで見かけた楽しい仲間 Vol.5

 その爺さんを目撃した時の衝撃はさほど無い。
 しかし、ネタが無いので書くことにしよう。
 その爺さんは、小便をしていた。
 それだけなら普通だ。
 両手を後ろに組み、背を反らせながら用を足していた。
 おいおい、こぼれるぞ。
 でもまあ、それもあまり驚かない範疇だろう。
 あまり普通ではないが。
 さて、用を足した後が問題なのであった。

 オイラは2つ離れた便器で用を足していて、横目でその爺さんを観察していた。
 でかい。
 イチモツがとにかくでかい。
 数十年前には女性にもてて、何人かの女性を泣かせた事があるだろうと思う位でかい。
 しかも長い。
 途轍もなく長い。
 まるでホースのようである。
 両手でも握りきることができないのではないだろうか。
 用を足した爺さんは、おもむろに息子をしごきだした。
 オイラは何事かと思い、自分の後始末を止めて見ていた。
 観察で判明した事は、マスを掻いていたのではなく、ホースに残った小便を搾っていたのである。
 こんなところでマスを掻いていたら警察もんだ。
 牛の乳を搾るように絞りきった爺さんは、颯爽と人ごみの中へ消えていった。
 見慣れない顔だったので、次も会えるかどうかは不明だ。
 でも、もう1度位は見たいホースだった。

土曜日, 4月 11, 2009

ホールで見かけた楽しい仲間 Vol. 4

   ホールで見かけた楽しい仲間 Vol. 4

 それは、スロがまだ4号機の時代であった。そう、「♂ばんちょ」が撤去された後の頃である。
 全国に展開しているD店での出来事だった。
 その頃、オイラは「俺の空」に現を抜かしていた。
 いつものようにいい台が無いか探していた。
 「いい台」とは「嵌っている台」である。
 天井になるべく近い台である。
 そう、オイラはハイエナ。

 そして、「俺の空」の背中の島には、「夢夢DX」が配置されていた。
 そこに、一人だけ客が付いていた。
 居たのは、年の頃は30半ば位であろうか。
 小太りの男が「夢夢DX」を打っていた。
 そう、とてもニコニコしながら。
 もう、半端じゃなく満面の笑みである。
 
 (相当出ているんだろうな。いいなあ)と思いながら近づいていくと、頭上の箱にはコインは入っていない。
 (???)
 下皿にもコインは無い。
 よくよく見ていると、せっせせっせとサンドに英世を突っ込んでいる。
 ニコニコしながら。
 満面の笑みで。
 (ああ、久し振りのスロで嬉しいんだろうな)と思っていたら、思い出した。
 昨日も居た。
 一昨日も居た。
 その前の日曜にも居た。
 ニコニコ小太りおじさんは、久し振りのスロではないのである。
 それなのに、ニコニコと嬉しそうにサンドに突っ込んでいるのである。
 (昨日の様子はどうだった?」
 (一昨日の様子はどうだった?)
 あまり働かせた事の無い頭脳を思いっきり絞って、思い出そうと努めた。
 駄目だ。
 思い出せん。
 印象が薄い。
 記憶はあまり無いが、ニコニコとして打ってはいなかったはずだ。
 印象が薄いということは、大して出ていなかったと容易に察することができる。

 オイラもそれなりの台を掴んで、打ち始めた。
 背中からは、夢夢ちゃんの声が時折聞こえてくる。
 時々、後ろを振り返って小太りニコニコおじさんを見るオイラ。
 相変わらずニコニコとしながら打っている。
 和やかと言えば和やかなのだが、打っている機種が機種である。
 「オタク」と思われても仕方が無いであろう。
 通りで夢夢には人が付いていない訳だ。

 嵌ってしまって憮然としながら打っているオイラ。
 嵌ってもニコニコと打っている小太りおじさん。
 (「笑う門には福来る」というし。今に大爆発かもしれないな)等と考えていると、いつの間にかニコニコ小太りおじさんはいなくなっていた。
 「笑う門にも福は来な」かったようである。
 その後、パタッと小太りおじさんを見かける事は無くなった。
 ちょっとホールが寂しくなった。

金曜日, 2月 20, 2009

ホールで見かけた楽しい仲間 Vol.3

   ホールで見かけた楽しい仲間 Vol.3

 全国にチェーンを展開しているD店でのことである。
 オラはその頃、ばんちょのハイエナで凌いでいた。
 ハイエナに徹すると、どうしても打たない時間が出来る。
 そんな時は、休憩コーナーで様子を伺うことが多い。
 そんな時に出会ったのが、冷蔵庫じいさんである。

 その店のロッカーには、冷蔵式のロッカーがある。
 近くにはショッピングセンターがあるので、そこに来た客も呼びこもうって戦法だ。
 買い物した後のおばちゃんなんかもよく使っている。
 そのじいさんもそのロッカーを使っていた。
 それが毎日なのである。
 毎日行っていたオラが見たのだから間違いない。

 来る時には必ず、スーパーの袋を手に提げている。
 量的には少ないのだが、必ずスーパーの荷物を提げてやって来る。
 そして、必ずロッカーに荷物を入れる。
 そして、パチでもスロでも打つ事はない。

 じっと島の端から他の台を見つめている。
 時々、いなくなったかと思えばまた同じ所に戻ってくる。
 そして、飽くことも無くじっと見つめている。
 そんな事を毎日数十回は繰り返している。

 そして、オイラが帰る時間まで、必ずいる。
 そのじいさんの帰るところを見た事は、只の一度も無い。
 ある日、自分が打つよりもそのじいさんの動向が気になって、ずっとじいさんの行動を注視した事もあった。
 やはり、じいさんは同じ事を繰り返していた。2,30分見ては、5分程うろつく。また戻って来て見る。
 夜の8時過ぎまでオラは頑張った。
 しかし、じいさんのパチを打っている姿どころか、帰る姿までも拝む事は出来なかった。

 そこでオラの推理。

 ①毎日、散歩がてら買い物に行くと家の者に言って家を出る。
 ②買い物をアリバイにしているのだから、スーパーで何か必ず買わなければならない。
 ③そして、ホールには買い物袋を提げてやって来る。
 ④ホールに長く居るつもりだから、冷蔵庫ロッカーに品物を入れる。
 ⑤打ちたいが金は無い。
 ⑥仕方が無いから、大好きなパチンコの様子だけでも見る。
 ⑦アリバイが崩れそうな時間になったら帰る。
 ⑧次の日の①へループ

 なんだかね。
 可愛そうな老後だね。
 でも、そのうちオラもそんなじじになるかもと思ったら、一抹の寂しさを覚えた。

日曜日, 2月 15, 2009

ホールで見かけた楽しい仲間 Vol. 2

   ホールで見かけた楽しい仲間 Vol. 2

 数年前の事である。
 オラは、HGであるS市のH店にスロを打ちに行った。
 いつものように、勝ったんだか負けたんだか判らない、中途半端な日だった。
 ハイエナ出来る台も無いし、そろそろ帰ろうかと思いつつも、ホールの中をうろついていた。
 そして、パチンコのバラエティコーナーの島を歩いている時、向こうからドスドスと歩く音が聞こえた。
そちらに顔をやると、恰幅のいい、妙齢(60歳位)の女性が。
 何気なく彼女を見るオラ。
 オラの目に映ったのは、まずギラギラと光り輝く金髪
 そして、次に見えたのが妙に黒々とした凛々しい眉毛
 メタボである事を隠そうとしない立派な腹。
 人の運命を見透かすようなきつい眼。

 ん?誰かに似てるな。
 確かTVで見た様な気がするな。
 何の番組だったかな。
 ん~~~ん。
 そうだ。
 分かった。
 細木数子だ。
 細木数子の金髪バージョンだ。
 オラと金髪細木は狭い通路で向き合った。
 (はい。判ってます。避けないとオラは地獄に落ちるんでしょ)
 オラは羊の如く素直に道を譲ろうとしたが、足元にあるドル箱が邪魔でなかなか避けられない。
 金髪細木がイラついているのがよく判る。
 しかし、思い通りに避けられない。
 そしてようやく避けられたかと思ったら、金髪細木はドル箱に囲まれた椅子にどっかと座った。
 座席の周りには所狭しと、ドル箱が積んである。
 さすがは人の運命を変える事の出来る人だ。
 自分の運命もいい方に変えていらっしゃる。
 きっと毎日こんな風に勝ってるんだろうな。
 勝つのが当たり前で、勝っても面白くないんだろうな。
 負けている周りの人たちが馬鹿に見えるんだろうな。

 本当は、自分の運命を教えて貰いたかったが、きっとプライベートで、しかもお忍びで遊びに来ている細木数子に迷惑を掛ける訳にはいかない。
 話し掛ける事もできず、一抹の寂しさと可もなく不可もない運命を抱きながら、オラは家に帰った。

金曜日, 1月 30, 2009

ホールで見かけた楽しい仲間 Vol.1

ホールで見かけた楽しい仲間 Vol.1

今は,「アミューズメント」だとか「○○○○○パーク」だとか「××××パーラー」とか,かっこつけた名前のパチンコ屋が多くなった。
20年位昔は,「○○○○会館」という名前が多かったのに。
まあ,「パチンコ屋は健全な遊びですよ」とホール関係者は,イメージアップの戦略として小奇麗な名前にしたんだろう。
まあ,それはそれなりに分かる。
店員教育も昔と比べたら雲泥の差だ。
元気のいい挨拶,当たったら「おめでとうございます」と言って箱を持ってきたり,札を刺したり。
昔なんか,店員といえばチンピラ崩れのような人が多かった。
たまに爆発して出たりなんかしたら,睨まれるというのも珍しくは無かった。
これも世の流れなのだろう。
しかし,表面は健全を謳っているが,裏はそうでもなかろう。
客も健全化したのだろうか?
そうともいえないだろう。

そこで,私はホールにまつわる不思議話,おかしな人々などを取り上げて,エッセイを書いていこうと思う。
楽しい話が多い方がいいのだが,それが出来る自信は無い。
中年おっさんの戯言として気軽に読んでくれることを願う。
どうか,暫くの間,お付き合いいただきたい。

さて,1回目は何を書こうか。
「バカ殿との邂逅」、これにしよう。

その男の風貌は,ちょっとどころか,かなり異質だった。
オイラは,まじまじと見たのではない。
トイレに行った時に,ほんの一瞬すれ違っただけである。
それでも,そのインパクトは強烈であった。
何が凄いか?
はっきり言おう。
眉毛である。
ちょんまげである。
志村ケンがバカ殿を演じているが,そのバカ殿の眉毛に似ているというのが一番近いかもしれない。
眉毛が,半端なく太い。
げじげじ眉毛とは違う。
眉間に近い眉毛から顔の端に至る眉毛が台形の形になっているのである。
弧を描いているのではない。
本当に台形の形なのである。
毛じゃなくて、顔に海苔を貼ったような感じなのである。
一瞬,イベントでお笑い芸人が来ているのかと思ってしまった。

オイラは迷った。
後をつけて、もっとよく見ようかと。
でもやはり,気が引けて出来なかった。

次回からは,もっと観察を詳しくして,ディテールの細かい報告をしたいと思う。

木曜日, 1月 15, 2009

オラの家族 Vol.17 未知との遭遇 - 第1部 -

 『オラの家族 Vol.17 未知との遭遇 - 第1部 -』

 ついこの間まで、オラは闘病生活を送っていた。
 その為、リリーの散歩には殆ど行けずに(行かずに)いた。
 そして、その日、オラの体調がよかった為、リハビリを兼ねて久しぶりに散歩に行った。
 そこは、近所の団地である。

 と、その時である!!!

 我々に思いも掛けぬ出来事が襲った!!!(川口浩探検隊風)
 リリーがリリーに遭遇したのである!!!
 (その犬小屋にはローマ字で「RIRI」と書いてあった)

 第3接近遭遇(未知との遭遇より)である!!!
 いや、それ以上だ!!!
 まさに、第4接近遭遇だ!!!
 
 なんと!
 リリーがリリーに・・・・・(CMが流れます)

 ○ CM 1 こんなゴールデンの時間にパチの宣伝するなや!!!(#゚Д゚)プンスコ

 ○ CM 2 選挙をしたいからってよそよそしい顔して「国民の生活が第一」と抜かすな。ミンス党!!!(#゚Д゚)プンスコ

 (CM終わり)

 (突然カメラが現場を映す)

 リリー1(家のリリー)が、リリー2(ちょっと近所のラブラドールっぽい白い大型犬)に吠え掛かった!!!
 しかも、尻尾は全開におっ立てている~~~~~
 それに負けじとリリー2も吼え返す!!!
 しかも、早朝6時の団地の近所だあ~~~~~
 迷惑千万だあ~~~~~

 そして、ついに、家から、人のよさそうなおばちゃんが出てきた。
 しかも、エプロン姿である。
 きっと朝食を作っていたのだろう。

 業を煮やして文句言いに来たのか?
 (やっちまったか、オラ? うるさいと叱られるのか、オラ? 立ち去った方がいいか?)
 「ま、まずい(;゚Д゚)」と思ったオラは戸惑った。
 
 しかし、おばちゃんはこう言い放った。

 「この子、甘えて吼えるのよね。うふふ(´∀`*)」

 ?????・・・????????・・・・・・・・

 あの~~~どこからどう見てもそんな感じはしないんですが・・・・・・・(;´Д`)
 リリー2は牙をむき出しで、リリー1に向かって吼えているんですが・・・(;´Д`)
 しかも、しっぽは威嚇の為に全開でおっ立てているんですが・・・・・・・(;´Д`)

 そして、ついに、なんと、思いもかけぬ出来事がわれわれを襲った!!!
 突然、リリー2の鎖が外れてしまったのである!!!!!!
 リリー2は、リリー1に飛び掛った!!!
 散歩用のリードがある為、逃げられないリリー1!!!
 2匹はオラの周りをぐるぐる回る。

 (もしかして、バターになるの???)

 ついに、リリー2は、リリー1を押さえつけた!!!
 そして、リリー1に噛み付いた!!!
 リリー1は、痛恨の一撃を食らった!!!!!

 ┏━コマンド?━┓
 ┃ 戦う    ┃
 ┃ 逃げる   ┃
 ┃ 呪文を唱える┃
 ┗━━━━━━━┛

 ┏━━━━━━━┓
 ┃ リリー1は ┃
 ┃ 逃げた   ┃
 ┃ しかし   ┃
 ┃ 取り囲まれた┃
 ┗━━━━━━━┛

 ┏━コマンド?━┓
 ┃ 戦う    ┃
 ┃ 逃げる   ┃
 ┃ キャンと鳴く┃
 ┗━━━━━━━┛

 ┏━━━━━━━┓
 ┃ リリー1は ┃
 ┃ キャンと  ┃
 ┃ 鳴いた   ┃
 ┃       ┃
 ┃ リリー1は ┃
 ┃ 死にました ┃
 ┗━━━━━━━┛

 そんな戦いの最中であるにも拘らず、リリー2を取り押さえようとしないおばちゃん・・・

 あんたは大物かよっぽど鈍い人間だ・・・(;´Д`)

 結局、オラはリリー2の鎖を足で踏みつけて動きを止め、何とかリリー1を救い出した。

 「この子、他の人が好きなのよね。うふふ(´∀`*)」・・・(;´Д`)

 ・・・ん?、確かにオラには襲い掛かって来ないし、尻尾まで振ってオラを見ている。
 でもな、おばちゃん、家のリリー1は噛み付かれてキャンと鳴いて地面に蹲ってるんだよ。(;´Д`)

 ・・・・・・・・・・・・・

 はい、判りました。もう2度とここは通りません。
 通ったオラが悪かった。
 近寄ってごめんなさい。
 
      ∧_∧
    ,( ・∀・)  すいませんでした
     l  (_ノ(ノ 
    (__)__)   

   ,- ,―――-、 
  (U(    ) すいませんでした
   | | ∨T∨
  (__)_) 

 我々は傷を負いながらも何とか逃げ切ることが出来た。
 リリー1の傷は幸いな事に浅かった。
 我々一同は現場を立ち去ることにした。
 危険でこれ以上は、とてもこの場にいることは出来ない。
 
 そして、30m程、離れた所で、リリー1は「ワン」と捨て台詞の如く、大きく吼えた。
 まさにリリー1らしい立派な「弱犬の遠吠え」でその物語は、幕を閉じた。

 - 第1部 完 -

木曜日, 10月 02, 2008

『たもちゃん vol.12』

 『たもちゃん vol.12』

 1年ぶりにたもちゃんと会った。
 一言で言うとたもちゃんの病状は大分悪化していた。
 先ず、座っているときの姿勢がひどくなった。
 腰が60°位前に傾いている。
 手の震えはバイブレータの様だ。
 頭頂部は・・・うん。あまり変わりない。
 しかし、話をするとどうもおかしい。変だ。
 辻褄が合わない・・・
「この頃、お酒はあまり飲まないんですか」
「そうだな、15年前から飲んでいない」
 15年前というと、オイラ達が結婚した頃だ。
 この頃は毎晩、酒盛りだった。
「そんなことないでしょ。優花が生まれた頃だったから、よく飲んでいましたよ」
「いや、わしは20年前から飲んでおらん」
 へ? 20年前? ついさっきは15年前と・・・
 兎に角、万事がこうだ。
 頭の外側はともかく、中身の方は大分老人力が進んだようだ。

 年をとるということは子供に近づくことだ。
 今回、本当に実感した。
 教えてあげないと鼻がかめないのだ。
 鼻水がずるずると出てくる。
 すると、たもちゃんは鼻をかもうとする。時々。
 たもちゃんは、ティッシュを握ると鼻水を拭うだけなのだ。
 さきちゃんや嫁やさな(長女)に
「ちゃんと鼻に力を入れてふんと出しなさい」
と言われないと鼻がかめない。
 まるで3歳児だ。
 しかし、容姿は可愛くない。

 たもちゃんが昼寝から覚めたときだ。
「おい。リリー起こしてくれ」
 傍にいたリリーに頼んでいた。
 起こしに行ったら、たもちゃんの目は真面目だった。
 ああ、もうここまで来てしまったか・・・
 たもちゃんも恍惚の人に近づきつつあるのを感じた。
 でも、オイラが
「お父さん、パチンコでも行きましょうか」
と言ったときの、たもちゃんの嬉しそうな顔を一生忘れないだろう。

木曜日, 9月 11, 2008

久し振りの「社長」です

 『社長 vol.44』

 社長は強運の持ち主だった。
一般的生活は底辺層に近いのだが、時折勝負強いところを見せてくれる。
金に固執する態度が福の神を招き寄せるのであろうか。
社長は2度ハワイに行ったことがあった。
しかも只である。
1回目のハワイ旅行はクイズ番組で優勝して行った。
かなり昔の(30年ほど昔か?)、しかもあまり視聴率の高くない番組であった。
確か番組名は「トラベルチャンス」だったように思う。
関口宏が司会者で、日曜の午前10時頃に放送されていたように思う。
このクイズ番組はちょっと変わっていて、出された問題を解答者が順番に答えていくものだった。
分からなかったら次の解答者に答える権利が生まれる。正解だったらまた次の問題に解答する権利が与えられる。
そしてあるポイントに達すると優勝となる。今思えば(今でなくとも)もうグダグダの展開のクソ面白くない番組であった。
しかし社長は高校生であるにも拘らず優勝を勝ち取ったらしい。
そして、ハワイ旅行をゲットした。らしい。
「いやあ~先輩。あのクイズ番組はぬるぬるですから楽勝ですよ。O君(オイラ)も雑学が得意だから、出たらすぐにハワイに行けますよ。いっひっひっひっひ」
そのハワイ旅行では何をしたか詳しく聞くことは無かった。
まあ、どうせくだらないことをしていたに違いない。

そして、大学3年の時にそれは起こった。
またしても社長はハワイ旅行をゲットしたのだった。
その頃オイラの友達の多くが、あるバイトをしていた。北海道に住んでいる人にはすぐに分かる大手企業だった。
その頃のバイト先は急成長を遂げている真っ最中で、羽振りがよかった。
何せ時給が1500円以上であった。毎日のバイトではなかったため月給は大したことは無かったが夏休みや冬休みは10万を越えることが当たり前だった。
そんな急激に業績を伸ばしている企業は、太っ腹で、業績が大幅にアップしたことがあって、数名をボーナスとしてハワイ旅行に招待してくれたことがあった。
オイラ達の支部も3名が行けることになった。
その頃の事業所には50名程のバイト、正社員がいた。
確率は3/50。
言わなくても分かるだろう。
社長は見事にと言うか、当たり前にとでも言うか、当たりくじをゲットした。
オイラ達は社長に「2001円 ハワイの旅(2001年 宇宙の旅のパクリ)」と言う名目でそれぞれ2001円を餞別として送った。
勿論、社長はその選別を当たり前のように受け取ったのは言うまでもない。

さて、ここまで読んだ人は社長のハワイでの行動、つまりは観光について詳しく知りたいであろう。
書きます。
先ず、出掛けるときの服装が斬新であった。
ハワイに遊覧目的で行く人には到底見えぬ出で立ちであった。
スーツである。
ネクタイを締めて。
その姿は、社長らしくない。
いや、社長らしさの極致かもしれない。

社長はハワイに行く必要は全く無かった。
国内で十分であった。
いや、旅行にさえ行かなくてもよかったと言える。
社長は2回目のハワイで何をしたか。
ポルノ映画を見て過ごした。   らしい。
その映画も裏ビデオで有名な「洗濯屋ケンちゃん」であった。
社長はこう語った。
「いやあ~。日本で裏ビデオを見るには結構、金が掛かりますからね。ハワイでは映画館でやっているから安いんですよ。いっひっひっひっひ」
「いやあ~。先輩にも見せてあげたかったですよ」
うるさいって。

社長は、ビーチでのんびりとか観光とかガンシューティングクラブに行ったりとかせずに、連日ポルノ映画を見たらしい。
ハワイでポルノ映画三昧。
確かに社長らしい。
ビーチで優雅に読書するなんていうのは全然合わない。

しかし、我々は失望した。
何に対してか?
お土産に対してである。
社長がハワイに行く。つまりはアメリカに行くのである。
お土産はやはり無修正ポルノ雑誌が正等ではないだろうか?
社長の買ってきた物はすべてどうでもいい物ばかりであった。
社長自身用のポルノ雑誌を除いて。

金曜日, 6月 06, 2008

『オラの家族 Vol.16 ハナ』

 『オラの家族 Vol.16 ハナ』

 オラに新しい恋人ができた。
 家族ではないが準家族くらいにはなると思う。
 名前をハナという。
 古風な名前だが,年齢は不詳である。
 彼女との出会いは不図したことからだった。
 リリーの散歩中に出会ったのだ。
 彼女の容貌はポメラニアンぽい。
 で,ちょっときかなそうな顔つきである。
 体の毛はぼさぼさしていて,触り心地はあまり良くない。
 体格も小さい。どこから見ても雑種である。
 彼女は,最初はこちらを警戒していたし,リリーに向かって威嚇攻撃をかけた。
 リリーは肝っ玉が小さいので吼えるだけだが,ハナはリリーを齧った。
 それ以来,リリーは半径3m以内には近づこうとしない。
 また,お互いに不可侵条約を結んだのか永世中立の道を選らんだのか知らないが,お互いに相手を無視し,吼えることも無くなった。
 オラは今,ハナに首っ丈である。
 はっきり言ってリリーといるより,ハナといるほうが楽しい。
 理由は簡単である。
 リリーは自分に都合のいい時しかこちらに寄って来ない。
 まあ,身勝手な犬である。
 もしかして猫の生まれ変わりではないだろうか。リリーは。
 その点,ハナは可愛らしい。
 体を擦り付け来たり,尻尾をぶんぶんと振る。
 やはり犬はこうでなくてはいけない。
 リリーのような犬は犬の地位を貶めるだけである。
 ハナには毎日,ソースカツを与えている。
 と言っても駄菓子の一種で,魚肉の周りに衣をまぶして揚げた代物である。
 ハナはこれが大好物である。
 もう,野生に帰ってがふがふしながら食う。
 食べるではない。食うである。
 リリーは食べ物を手に載せてあげても,手を齧らないように細心の注意を計らって食べる。
 ハナはそうじゃない。
 手ごとカツを食べる。
 まあ,今のところ強く噛まれたことはないが。
彼女との逢引の時,リリーはいつも背中をこちらに向けて座っている。
彼女なりの反抗,やきもちの表現なのだろうか。
 ハナのちょっと嫌なところはウンモ食いをすることである。
 ウンモを食った口でオラの手からソースカツを食う。
 ちょっとどころではない嫌さだ。
 それでも,毎日のように彼女の元へ訪れる。
 どうも,恋に狂った中年男である。

日曜日, 3月 09, 2008

 『社長 vol.43』

 社長のパパはDQNだ。
 それは,以前にも書いた。
 それが何故,今か?
 オイラの気分である。
 実はそれだけではない。
 あるニュースを見て思い出したのである。
 社長のパパは,一時チンピラをしていて,白い粉にも手を出したという。
 白い粉の内でも,「シ○ブ」の方である。

 何時だったか,思い出せないのだが,みんなでトリップの話をしていた時だ。
 社長は,言った。
「シ○ブをやる時には,○○○の○の裏についている水を使うんですよ。
「○○○の○の裏の水は蒸留水で,殆ど純水に近いんで,シ○ブには打ってつけなんですよ,先輩。
「○○○の○の裏を引っくり返して,シ○ブを入れ,それを注射器でちゅーっと吸って,ブスリですよ。
「腕なんかに刺したら一発で分かるんで,見え無いところに打つんですよ。
「女だったら,○○○に打ったり,男だったら足の指の間に打ったりするんですよ」
 説得力のある説明である。
 Hが聞いた。
「Sのオヤジはどこに打ってたんだよ?」
「え~~~と,うちのオヤジの場合は,瞼の裏に打っていたんですよね」
 群集はざわめく。
「どうやって打つんだ?」
 その疑問は,尤もである。
 シ○ブの素人である我々には理解できない。
 しかし,人間っていうのは,正に「考える葦」で,何とかしちゃうのである。
「えっとですね。うちのオヤジの場合は,右利きなんで,右手で瞼をつまみ上げてるんですよ。
「次に,瞼を引っくり返しちゃうんですよ。
「そして,左手で持っていた注射器をそっと瞼の裏にあてがって,瞼をチクリと針に刺すんですよ」
「針をブスリじゃなくて,瞼をチクリなんですよ。そこんとこ,間違えないで下さい」
 誰が,間違うか。
 もしかして,オイラたちにもシ○ブをやれと言っているのか?
 オイラ達は,白い粉に手を出さねえよ。

 それにしても,ひどく具体的である。
 ディテールが細かい。
「S,お前見ていたのか?」
 これも至極当然な疑問である。
「まさか。やだなあ,先輩。私の見ている前で,オヤジがシ○ブをやる訳,無いじゃないですか」
 どうなんだか。
 「この親ありて,この子あり」である。
 いや,「この子ありて,この親あり」か。
 どうだかわからない。
 社長のことだから,もしかしたら手を出していたのかもしれない。

 その後,我々数少ない社長の友人達は,ハイになった社長を見ると,「ちょっと前にどこかにチクリとしたな」と思うようになった。