小さなクリスマス 2 サンタの苦悩
サンタは,苦悩していた。
橇を引くトナカイが怪我をしたからである。
今年のクリスマスは,特に重たいプレゼントのリクエストが多かった。
サンタは,トナカイの長老に相談した。
長老は,顔を顰めてこう言った。
「奴なら今年は無理だよ。無理に橇を引かせると二度と使い物にならないね」
サンタはますます困惑した。
3頭のトナカイでは,運びきれない。
と言って,クリスマスイブには,プレゼントを届けなければ,信用問題に関わる。
所詮,サンタは下請けである。
プレゼントを用意したり,どの子にどのプレゼントをあげたりといった計画は何も知らない。
言われたとおり,プレゼントを運べばいいのである。
サンタは元請に相談した。
元請はGreat Operation Director,通称GODである。
しかし、天の一声で,きちんと仕事ができないのなら,もう二度と下請けに使わないと言い渡されてしまった。
荷物は重い。
トナカイは3頭しかいない。
さて,どうするか。
困り果てたサンタは,決断した。
他の動物達にも手伝ってもらおう。
サンタの要請にたくさんの動物達が集まってきた。
そう,サンタは人望が厚いのである。
日本の子供達へのプレゼントは,黒猫とペリカンとダックスフントとパンダと飛脚が志願した。
こうして,日本では,黒猫とペリカンとダックスフントとパンダと飛脚がプレゼントを運ぶこととなった。
それ以来,クリスマス以外にも彼らが色々な物を運ぶこととなった。
これが、宅配便の所以である。
木曜日, 12月 14, 2006
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