ホールで見かけた楽しい仲間 Vol.3
全国にチェーンを展開しているD店でのことである。
オラはその頃、ばんちょのハイエナで凌いでいた。
ハイエナに徹すると、どうしても打たない時間が出来る。
そんな時は、休憩コーナーで様子を伺うことが多い。
そんな時に出会ったのが、冷蔵庫じいさんである。
その店のロッカーには、冷蔵式のロッカーがある。
近くにはショッピングセンターがあるので、そこに来た客も呼びこもうって戦法だ。
買い物した後のおばちゃんなんかもよく使っている。
そのじいさんもそのロッカーを使っていた。
それが毎日なのである。
毎日行っていたオラが見たのだから間違いない。
来る時には必ず、スーパーの袋を手に提げている。
量的には少ないのだが、必ずスーパーの荷物を提げてやって来る。
そして、必ずロッカーに荷物を入れる。
そして、パチでもスロでも打つ事はない。
じっと島の端から他の台を見つめている。
時々、いなくなったかと思えばまた同じ所に戻ってくる。
そして、飽くことも無くじっと見つめている。
そんな事を毎日数十回は繰り返している。
そして、オイラが帰る時間まで、必ずいる。
そのじいさんの帰るところを見た事は、只の一度も無い。
ある日、自分が打つよりもそのじいさんの動向が気になって、ずっとじいさんの行動を注視した事もあった。
やはり、じいさんは同じ事を繰り返していた。2,30分見ては、5分程うろつく。また戻って来て見る。
夜の8時過ぎまでオラは頑張った。
しかし、じいさんのパチを打っている姿どころか、帰る姿までも拝む事は出来なかった。
そこでオラの推理。
①毎日、散歩がてら買い物に行くと家の者に言って家を出る。
②買い物をアリバイにしているのだから、スーパーで何か必ず買わなければならない。
③そして、ホールには買い物袋を提げてやって来る。
④ホールに長く居るつもりだから、冷蔵庫ロッカーに品物を入れる。
⑤打ちたいが金は無い。
⑥仕方が無いから、大好きなパチンコの様子だけでも見る。
⑦アリバイが崩れそうな時間になったら帰る。
⑧次の日の①へループ
なんだかね。
可愛そうな老後だね。
でも、そのうちオラもそんなじじになるかもと思ったら、一抹の寂しさを覚えた。
金曜日, 2月 20, 2009
日曜日, 2月 15, 2009
ホールで見かけた楽しい仲間 Vol. 2
ホールで見かけた楽しい仲間 Vol. 2
数年前の事である。
オラは、HGであるS市のH店にスロを打ちに行った。
いつものように、勝ったんだか負けたんだか判らない、中途半端な日だった。
ハイエナ出来る台も無いし、そろそろ帰ろうかと思いつつも、ホールの中をうろついていた。
そして、パチンコのバラエティコーナーの島を歩いている時、向こうからドスドスと歩く音が聞こえた。
そちらに顔をやると、恰幅のいい、妙齢(60歳位)の女性が。
何気なく彼女を見るオラ。
オラの目に映ったのは、まずギラギラと光り輝く金髪。
そして、次に見えたのが妙に黒々とした凛々しい眉毛。
メタボである事を隠そうとしない立派な腹。
人の運命を見透かすようなきつい眼。
ん?誰かに似てるな。
確かTVで見た様な気がするな。
何の番組だったかな。
ん~~~ん。
そうだ。
分かった。
細木数子だ。
細木数子の金髪バージョンだ。
オラと金髪細木は狭い通路で向き合った。
(はい。判ってます。避けないとオラは地獄に落ちるんでしょ)
オラは羊の如く素直に道を譲ろうとしたが、足元にあるドル箱が邪魔でなかなか避けられない。
金髪細木がイラついているのがよく判る。
しかし、思い通りに避けられない。
そしてようやく避けられたかと思ったら、金髪細木はドル箱に囲まれた椅子にどっかと座った。
座席の周りには所狭しと、ドル箱が積んである。
さすがは人の運命を変える事の出来る人だ。
自分の運命もいい方に変えていらっしゃる。
きっと毎日こんな風に勝ってるんだろうな。
勝つのが当たり前で、勝っても面白くないんだろうな。
負けている周りの人たちが馬鹿に見えるんだろうな。
本当は、自分の運命を教えて貰いたかったが、きっとプライベートで、しかもお忍びで遊びに来ている細木数子に迷惑を掛ける訳にはいかない。
話し掛ける事もできず、一抹の寂しさと可もなく不可もない運命を抱きながら、オラは家に帰った。
数年前の事である。
オラは、HGであるS市のH店にスロを打ちに行った。
いつものように、勝ったんだか負けたんだか判らない、中途半端な日だった。
ハイエナ出来る台も無いし、そろそろ帰ろうかと思いつつも、ホールの中をうろついていた。
そして、パチンコのバラエティコーナーの島を歩いている時、向こうからドスドスと歩く音が聞こえた。
そちらに顔をやると、恰幅のいい、妙齢(60歳位)の女性が。
何気なく彼女を見るオラ。
オラの目に映ったのは、まずギラギラと光り輝く金髪。
そして、次に見えたのが妙に黒々とした凛々しい眉毛。
メタボである事を隠そうとしない立派な腹。
人の運命を見透かすようなきつい眼。
ん?誰かに似てるな。
確かTVで見た様な気がするな。
何の番組だったかな。
ん~~~ん。
そうだ。
分かった。
細木数子だ。
細木数子の金髪バージョンだ。
オラと金髪細木は狭い通路で向き合った。
(はい。判ってます。避けないとオラは地獄に落ちるんでしょ)
オラは羊の如く素直に道を譲ろうとしたが、足元にあるドル箱が邪魔でなかなか避けられない。
金髪細木がイラついているのがよく判る。
しかし、思い通りに避けられない。
そしてようやく避けられたかと思ったら、金髪細木はドル箱に囲まれた椅子にどっかと座った。
座席の周りには所狭しと、ドル箱が積んである。
さすがは人の運命を変える事の出来る人だ。
自分の運命もいい方に変えていらっしゃる。
きっと毎日こんな風に勝ってるんだろうな。
勝つのが当たり前で、勝っても面白くないんだろうな。
負けている周りの人たちが馬鹿に見えるんだろうな。
本当は、自分の運命を教えて貰いたかったが、きっとプライベートで、しかもお忍びで遊びに来ている細木数子に迷惑を掛ける訳にはいかない。
話し掛ける事もできず、一抹の寂しさと可もなく不可もない運命を抱きながら、オラは家に帰った。
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