木曜日, 11月 08, 2007

『社長 vol.40』

 『社長 vol.40』

 以前にも書いたことがあるが,オイラのゼミには同輩のOという可愛い子(勿論女)がいた。

 芸能界で言えば・・・

 オイラの知り合いの独身,40歳のSさんに似ている(断言&イミフ)。

 芸能界で言えば誰だろう・・・

 う~ん・・・

 思い当たらない。

 まあ,しかし,美人は美人であった。

 

 彼女は,芸能界が大好きっ子であった。

 特に松田聖子が好きであった。

 自分自身も芸能界に,入りたくて入りたくて堪らず,何度もオーディションを受けていた。

 勿論,合格するはずもない。

 合格していたら,大学を卒業できるわけがない。

 性格も悪くは無かった。

 天然ボケのところもあったが,巷でよく言われる「美しい花には棘がある」と言う格言には抵触していなかった。

 

ところが,ある時を境目に,彼女は男子学生からガイマ(はじき出されること。北海道弁か?)にされていた時期があった。

 恥ずかしい話だが,オイラも少しシカトしていた。

 その理由は,1年上の先輩と付き合うようになったからだ。

 殆どの男子学生が,「自分が(付き合って貰おう)」と狙っていたわけだから。

 男の嫉妬は見苦しい。

 実に見苦しい。

 丁度,松田聖子の「赤いスイートピー」が流行った後のことである。

 彼女は,歯痛の為,大学を数日間休んだ。

 以前はちやほやしていた男子学生だが,そんなことを気にする奴はいなかった。

 しかし,一人だけ例外がいた。

 社長である。

 彼はある夜,花束を持って見舞いに行った。

 その花は勿論,赤いスイートピーである。

 いつもの社長スマイル(口を「ニー」としながら何度も頷く)で,

Oさん,これがスイートピーですよ。今まで見たことなかったでしょ」

 と言いながら手渡したそうである。

 オイラ達は,その話が信じられなかった。

 だって,もう唾の付いた商品だ。

 今さら,見舞いに行ったってしょうがない。

 無駄である。

 もう,オイラ達には価値のない商品である。

 しかし,社長は一味違っていた。

 オイラ達は,社長を褒め称えるべきなのか,笑ったほうがいいのか。

 これに関しての討論は,1週間以上に及んだ。