金曜日, 2月 20, 2009

ホールで見かけた楽しい仲間 Vol.3

   ホールで見かけた楽しい仲間 Vol.3

 全国にチェーンを展開しているD店でのことである。
 オラはその頃、ばんちょのハイエナで凌いでいた。
 ハイエナに徹すると、どうしても打たない時間が出来る。
 そんな時は、休憩コーナーで様子を伺うことが多い。
 そんな時に出会ったのが、冷蔵庫じいさんである。

 その店のロッカーには、冷蔵式のロッカーがある。
 近くにはショッピングセンターがあるので、そこに来た客も呼びこもうって戦法だ。
 買い物した後のおばちゃんなんかもよく使っている。
 そのじいさんもそのロッカーを使っていた。
 それが毎日なのである。
 毎日行っていたオラが見たのだから間違いない。

 来る時には必ず、スーパーの袋を手に提げている。
 量的には少ないのだが、必ずスーパーの荷物を提げてやって来る。
 そして、必ずロッカーに荷物を入れる。
 そして、パチでもスロでも打つ事はない。

 じっと島の端から他の台を見つめている。
 時々、いなくなったかと思えばまた同じ所に戻ってくる。
 そして、飽くことも無くじっと見つめている。
 そんな事を毎日数十回は繰り返している。

 そして、オイラが帰る時間まで、必ずいる。
 そのじいさんの帰るところを見た事は、只の一度も無い。
 ある日、自分が打つよりもそのじいさんの動向が気になって、ずっとじいさんの行動を注視した事もあった。
 やはり、じいさんは同じ事を繰り返していた。2,30分見ては、5分程うろつく。また戻って来て見る。
 夜の8時過ぎまでオラは頑張った。
 しかし、じいさんのパチを打っている姿どころか、帰る姿までも拝む事は出来なかった。

 そこでオラの推理。

 ①毎日、散歩がてら買い物に行くと家の者に言って家を出る。
 ②買い物をアリバイにしているのだから、スーパーで何か必ず買わなければならない。
 ③そして、ホールには買い物袋を提げてやって来る。
 ④ホールに長く居るつもりだから、冷蔵庫ロッカーに品物を入れる。
 ⑤打ちたいが金は無い。
 ⑥仕方が無いから、大好きなパチンコの様子だけでも見る。
 ⑦アリバイが崩れそうな時間になったら帰る。
 ⑧次の日の①へループ

 なんだかね。
 可愛そうな老後だね。
 でも、そのうちオラもそんなじじになるかもと思ったら、一抹の寂しさを覚えた。

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