ホールで見かけた楽しい仲間 Vol. 4
それは、スロがまだ4号機の時代であった。そう、「♂ばんちょ」が撤去された後の頃である。
全国に展開しているD店での出来事だった。
その頃、オイラは「俺の空」に現を抜かしていた。
いつものようにいい台が無いか探していた。
「いい台」とは「嵌っている台」である。
天井になるべく近い台である。
そう、オイラはハイエナ。
そして、「俺の空」の背中の島には、「夢夢DX」が配置されていた。
そこに、一人だけ客が付いていた。
居たのは、年の頃は30半ば位であろうか。
小太りの男が「夢夢DX」を打っていた。
そう、とてもニコニコしながら。
もう、半端じゃなく満面の笑みである。
(相当出ているんだろうな。いいなあ)と思いながら近づいていくと、頭上の箱にはコインは入っていない。
(???)
下皿にもコインは無い。
よくよく見ていると、せっせせっせとサンドに英世を突っ込んでいる。
ニコニコしながら。
満面の笑みで。
(ああ、久し振りのスロで嬉しいんだろうな)と思っていたら、思い出した。
昨日も居た。
一昨日も居た。
その前の日曜にも居た。
ニコニコ小太りおじさんは、久し振りのスロではないのである。
それなのに、ニコニコと嬉しそうにサンドに突っ込んでいるのである。
(昨日の様子はどうだった?」
(一昨日の様子はどうだった?)
あまり働かせた事の無い頭脳を思いっきり絞って、思い出そうと努めた。
駄目だ。
思い出せん。
印象が薄い。
記憶はあまり無いが、ニコニコとして打ってはいなかったはずだ。
印象が薄いということは、大して出ていなかったと容易に察することができる。
オイラもそれなりの台を掴んで、打ち始めた。
背中からは、夢夢ちゃんの声が時折聞こえてくる。
時々、後ろを振り返って小太りニコニコおじさんを見るオイラ。
相変わらずニコニコとしながら打っている。
和やかと言えば和やかなのだが、打っている機種が機種である。
「オタク」と思われても仕方が無いであろう。
通りで夢夢には人が付いていない訳だ。
嵌ってしまって憮然としながら打っているオイラ。
嵌ってもニコニコと打っている小太りおじさん。
(「笑う門には福来る」というし。今に大爆発かもしれないな)等と考えていると、いつの間にかニコニコ小太りおじさんはいなくなっていた。
「笑う門にも福は来な」かったようである。
その後、パタッと小太りおじさんを見かける事は無くなった。
ちょっとホールが寂しくなった。
土曜日, 4月 11, 2009
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