水曜日, 8月 29, 2007

胡桃の樹の下で 11

   11

 気づいたら、ボクはマヒロおねえちゃんのひざの上でねていた。

 マヒロおねえちゃんはボクのあたまをなでてくれていた。

「寝なさい、ゆっくりと。そうすればいろんなことが分かるようになるわ」

 ボクはまたねた。

 どれくらいたったのだろう。

 きづいたらマヒロおねえちゃんはいなかった。

 ボクはぼんやりとしている。

 すると、マヒロおねえちゃんがヘルメットをもってやってきた。

「剛君、喉乾いたでしょう」

 マヒロおねえちゃんはヘルメットをわたしてくれた。

 ボクはごくごくとのんだ。

 おいしかった。

 つめたくて。

あまくて。

その日からボクとマヒロおねえちゃんとのせいかつがはじまった。

ボクは木の上に上ってうたをうたう。

シャボン玉をうたう。

マヒロおねえちゃんは木のかげで本をよんでいる。

おなかがすくとクルミを食べた。

のどがかわくと、いずみの水をのんだ。

そして、マヒロおねえちゃんとボクはいっしょにねむった。

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