土曜日, 11月 18, 2006

社長 3

 『社長 vol.3』

 社長は,北海道で有名な塾の講師をしていた。
 そして,塾に来る中学生の可愛い子を見つけては俺達に報告をしてくれた。

 「先輩,先輩,実は昨日可愛い子を見つけたんですよ。いっひっひっひ」
 もう満面の笑みである。
 本当に好きで好きでたまらないのである,女子中学生が。
 まあ,確かにそうである。
 彼を相手にする大人の女はいないであろうから。
 これは彼の傾向であるが,同時に責任であり,義務でもある。
 民事的にもなんら問題が無い。
 しかし,塾に通わせてる親の心境や如何ほどであろうか?
 心配である。
 彼には責任を全うする能力は無い。
 いつ手を,いやティ○ポを出してもおかしくないのである。
 いつ出すか我々は期待していた。

 そして,嬉しそうに話す彼を見るのは楽しいのである。
 話を聞く我々は,刑事的に問題ない。
 民事的にも全く問題ない。
 気楽である。

 ただ,楽しい話をするときの彼の行動にちょっと問題があった。
 靴下を脱いだ後,足の指の間で色々な物を擦るのである。
 擦るのは,ティ○ポもそうだが,自分の部屋でやってほしい。
 彼の足は臭い。
 俺の足も臭いが,彼には敵わない。
 さらに,水虫であった。
 もう最高である。

 ある時,Nのアパートで,ギターのチューニングをするための音叉を足の指の間で擦った。
 いつものように。
 Nは,もろに嫌な顔をした。
 しかし,社長は気付かない。
 気付くわけはないのである。

 彼は『非常識』を通り越して,『無常識』なのだから。

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