土曜日, 11月 18, 2006

社長 22

 『社長 vol.22』

 社長が素人に筆下ろしをしたのには,裏があった。
 ズバリ,テレクラである。
 そう,社長は一時期テレクラに通い詰めていたのである。
 H海道の中心都市S幌市は勿論,彼の実家がある道東のK市でも通っていた。
 
 社長は毎週土曜になると,温泉に行って腹黒い体を清め,テレクラへと突進していたのである。
 初体験はS市だった。
 その時,釣果は無かったという。
 それでも彼は,毎週500kmもR町からS市の間をへたくそな運転でドライブしていた。

 そして,ついに念願叶い,素人と事に及ぶ時が巡り来た!!!

 ああ,ついに彼は普通の人になってしまったのか・・・
 我々は落胆した。
 
 しかし,社長の細部にわたる『事』の顛末を聞くとNは興奮した。
 Nは,落胆から一気に昇天である。

 何故なら社長が経験したのはア○ルなのである。
 Nは,小学生のころからアナ○に異常に惹かれていたといふ。
 そんな,モテてモテて,しようもなかったNより先に,社長は○ナルを経験したのである。

 Nの胸中には,社長に対する羨望が渦巻いた。
 「あ,あ,あ,憧れのア○ルを,社長に先を越されるなんて・・・」
 社長が事の顛末を語り終えた時,Nはポツリと言った。
 「いいなぁ・・・」
 とても看護婦キラーのNとは思えない発言だった。

 そう,Nは特に看護婦と仲良しだった。
 俺の知る限り,付き合った看護婦は5人以上いた。
 俺に話をしていない数も入れると10人は優に超えていたと思ふ。

 しかし,そういうNの母親は看護婦だった。

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