土曜日, 11月 18, 2006

社長 23

 『社長 vol.23』

 我々の通う大学では,集中講義というのがあった。
 夏なら水泳,冬ならスキーの実技講習を受けなければ卒業できないのである。
 しかし,両方の講義を受ける必要はなかった。
 どちらかだけ受ければよかったのである。

 我々の大半はスキーを選択した。
 水泳はつまらなく,スキーは楽しいからである。

 しかし,社長とHは水泳を選択した。
 理由は明確である。
 水着姿のじょしどぅあいせいが見れるからである。

 じょしどぅあいせい達は,教職員試験を目指すものが多かったため,水泳を選択する者が多かったのである。

 勿論,社長もHも張り切って,講義を受けに行っていた。
 ところがある日,社長が激怒する事件が勃発したのである。

 我々のゼミには,Oというミス大学に匹敵する美人がいた。
 Oも水泳実技講習を受けていた。
 一緒に講義を受ける,Oと社長とH。
 何と,Hは間違えた振りをしてOの小さな胸に触れたのだ。

 社長の怒りは尋常でなかった。
 「え,え,え,H君なら,あろうことか,Oさんのオッパイを触ったんですよ」
 社長はゼミの全員が出席する野外実習の夕食の席で,いきなり言葉を発っしたのである。
 ニヤニヤと笑いながら言い訳をするH。
 その姿は,サッカーW?Cupに出場を果たせなかった岡田監督に似ていた。
 そして,可愛らしく赤く頬を染めて俯くO・・・
 初めて怒りに打ち震える姿を見せた,社長。

 とても,楽しい宴会であった。
 楽しい宴会は,は静寂に包まれていた。
 そして,Hは社長の口に入れた生肉を食った所為で,翌日嘔吐した。
 やはり社長の怨念の所為であろう・・・

0 件のコメント: