『社長 vol.23』
我々の通う大学では,集中講義というのがあった。
夏なら水泳,冬ならスキーの実技講習を受けなければ卒業できないのである。
しかし,両方の講義を受ける必要はなかった。
どちらかだけ受ければよかったのである。
我々の大半はスキーを選択した。
水泳はつまらなく,スキーは楽しいからである。
しかし,社長とHは水泳を選択した。
理由は明確である。
水着姿のじょしどぅあいせいが見れるからである。
じょしどぅあいせい達は,教職員試験を目指すものが多かったため,水泳を選択する者が多かったのである。
勿論,社長もHも張り切って,講義を受けに行っていた。
ところがある日,社長が激怒する事件が勃発したのである。
我々のゼミには,Oというミス大学に匹敵する美人がいた。
Oも水泳実技講習を受けていた。
一緒に講義を受ける,Oと社長とH。
何と,Hは間違えた振りをしてOの小さな胸に触れたのだ。
社長の怒りは尋常でなかった。
「え,え,え,H君なら,あろうことか,Oさんのオッパイを触ったんですよ」
社長はゼミの全員が出席する野外実習の夕食の席で,いきなり言葉を発っしたのである。
ニヤニヤと笑いながら言い訳をするH。
その姿は,サッカーW?Cupに出場を果たせなかった岡田監督に似ていた。
そして,可愛らしく赤く頬を染めて俯くO・・・
初めて怒りに打ち震える姿を見せた,社長。
とても,楽しい宴会であった。
楽しい宴会は,は静寂に包まれていた。
そして,Hは社長の口に入れた生肉を食った所為で,翌日嘔吐した。
やはり社長の怨念の所為であろう・・・
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