『社長 vol.12』
大学祭の事件はvol.11で紹介した通りだが,実はまだ続きがある。
事が判明したのは,大学祭から数日経った時だった。
我々,3年目は,売り上げの計算をした。
おかしい。
帳簿が合わない。
売り上げが,ハンバーグを作った数より,遥かに少ない。
人を変え,何回も計算し直した。
いくら計算をしても,売り上げが合わない。
もしかして,これは・・・
そうである。
社長は売り上げをポッケに忍ばせていたのである。人知れず。
社長がレジ係をしていたのは,周知の通りである。
社長が,レジ係を喜んで引き受けたのには,裏があったのだ。
我々は,社長を甘く見ていたのである。
全ては,オイラのせいだ。
レジ係に推薦したのは,オイラだ。
オイラが全て悪かったのだ。
そうだ・・・
前に社長は言っていた。
「高校のときの学祭で,売り上げをピンはねして,ファミレスで3日間,たらふく食ったことがあるんですよ」
と。
やられた・・・
真相が判明したときはもう既に時遅し。金は消えていた。
そう,社長は大学祭が終わるとすぐにソープに行って来たのである。
大学祭で儲けた金は,打ち上げコンパ代にもならなかった。
儲けの全ては,社長の快楽のために,泡となって消えてしまった。
打ち上げコンパは,みすぼらしい居酒屋のみで終わったのは,言うまでもない。
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