『オラの家族 Vol.4 タミコ』
タミコは,オラの嫁だ。
そう,「野菊の墓」に出てくるタミさんだ。
「タミさんは,野菊のような人だった」
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全然そんなことは無い。
そんな華奢なものじゃない。
可憐じゃない。
どちらかというと,エゾマツに近い。
肌が。
逞しさが。
もしかするとハイマツの方が近いかもしれない。
嫁の実家に帰ると,嫁はあれこれとみんなに指図をする。
「ちょっと,ばあちゃん,洗った茶碗,すすいで」
「ちょっと,さな(姉)。早く魚,焼いて」
「ちょっと,マーちゃん,こんなところに座らないで,ソファーに座りなよ」
「ちょっと,ユカ。ゲームばっかりしないで,外に行って遊びなさい」
自分で言ってる。
「あたしはM家(嫁の実家)の太陽なのよ」と。
自分を中心に宇宙が動いてると思っている。
偉そうな太陽である。
太陽は太陽であることを自慢しない。
しかし,M家の太陽は自画自賛しまくりである。
体格も頼もしい。
子供が生まれてからは,足も腕も随分と逞しくなった。
結婚する前は,華奢だった腕が,今ではオイラより太い。
結婚する前は,太かった太ももが,結婚後も太い。
ん?違うか?次行こう。
臀部も確実に成長を遂げている。
あと5人くらい軽々と生めそうである。
でも,生まないだろうと思う。
生まれる原因をしてないから。
情けない父ちゃんである。
重々承知している。
嫁は専業主婦である。
時々,農家の手伝いに行く。
アルバイトである。
時給は750円である。
北海道では,この位が相場である。
因みにオイラの時給は,約3000円である。
ちょっと自慢である。
嫁の時給を聞いた時,ため息をついた。
なんで1時間750円ぽっちで働く?
そんな割りの合わん事はできん!
しかし,小銭を稼ぐのが好きな嫁は,嬉々としてアルバイトに行く。
アルバイトより,料理の腕を上げろよ!
そんな力仕事したら,また腕が太くなるだろうが!
すまん。
オイラの愚痴だ。
しかし,嫁のアルバイトのおかげで,エアコンが付いた。
自転車も買った。
マツタケも食った。
悪いことばかりではないようだ。
今日も嫁は,せっせとアルバイトに励んでいる。
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