土曜日, 11月 18, 2006

オラの家族 4

 『オラの家族 Vol.4 タミコ』

 タミコは,オラの嫁だ。
 そう,「野菊の墓」に出てくるタミさんだ。
 「タミさんは,野菊のような人だった」
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 全然そんなことは無い。
 そんな華奢なものじゃない。
 可憐じゃない。

 どちらかというと,エゾマツに近い。
 肌が。
 逞しさが。
 もしかするとハイマツの方が近いかもしれない。

 嫁の実家に帰ると,嫁はあれこれとみんなに指図をする。
 「ちょっと,ばあちゃん,洗った茶碗,すすいで」
 「ちょっと,さな(姉)。早く魚,焼いて」
 「ちょっと,マーちゃん,こんなところに座らないで,ソファーに座りなよ」
 「ちょっと,ユカ。ゲームばっかりしないで,外に行って遊びなさい」

 自分で言ってる。
 「あたしはM家(嫁の実家)の太陽なのよ」と。
 自分を中心に宇宙が動いてると思っている。
 偉そうな太陽である。
 太陽は太陽であることを自慢しない。
 しかし,M家の太陽は自画自賛しまくりである。

 体格も頼もしい。
 子供が生まれてからは,足も腕も随分と逞しくなった。
 結婚する前は,華奢だった腕が,今ではオイラより太い。
 結婚する前は,太かった太ももが,結婚後も太い。
 ん?違うか?次行こう。
 臀部も確実に成長を遂げている。
 あと5人くらい軽々と生めそうである。
 でも,生まないだろうと思う。
 生まれる原因をしてないから。
 情けない父ちゃんである。
 重々承知している。

 嫁は専業主婦である。
 時々,農家の手伝いに行く。
 アルバイトである。
 時給は750円である。
 北海道では,この位が相場である。
 因みにオイラの時給は,約3000円である。
 ちょっと自慢である。
 嫁の時給を聞いた時,ため息をついた。
 なんで1時間750円ぽっちで働く?
 そんな割りの合わん事はできん!
 しかし,小銭を稼ぐのが好きな嫁は,嬉々としてアルバイトに行く。

 アルバイトより,料理の腕を上げろよ!
 そんな力仕事したら,また腕が太くなるだろうが!

 すまん。
 オイラの愚痴だ。
 しかし,嫁のアルバイトのおかげで,エアコンが付いた。
 自転車も買った。
 マツタケも食った。
 悪いことばかりではないようだ。

 今日も嫁は,せっせとアルバイトに励んでいる。

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