土曜日, 11月 18, 2006

社長 20

 『社長 vol.20』

 社長がR町に赴任してからというもの,H海道のガソリンの消費が激しくなった。
 それは,社長がR町からS幌市に通っていたからである。
 R町からS幌市までは距離にして,500kmはあった。
 時速50kmで10時間である。
 まあ,H海道では,平均時速は60kmくらい簡単に出せるけれども,それでも8時間以上である。
 ここまで来ると,常軌を逸している。
 何せ,毎週なのであるから。
 しかもこの頃の学校は週休2日制ではなかった。
 土曜日は半ドンだったのである。
 さすがは社長。
 執念である,FZKに対しての。
 ここまで来ると我々は社長を崇拝してしまっていた。

 午後一番に出発しても,S市に到着するのは,9時頃である。
 そして,社長は運転の疲れも見せず,FZK店に直行するのである。
 皮切りは,社長のホームグランドである『プ○シーキャット』。
 ここで,まず1週間のスペ○マを『69』によって放出するのである。
 社長が言うところの「まずは一服」である。
 そして次に安いソ○プランドに行く。
 お気に入りは「女○院」であった。
 「軽く一杯」である。
 更に,ちょっとお高めのソープに行く。
 「最後の締め」である。

 こうして,社長は毎週,オイルメジャーと怪しげなFZK関係者と日本の景気のために血税を貢いでいた。
 しかし,ホテル産業には貢いでいなかった。
 S市に住む,大学の友人であるNのところに泊まっていたのである。
 社長なりの節約術である。
 Nにとってはいい迷惑である。
 それはそうだ。
 毎週,せっかくの土曜の夜を社長と過ごさなければならないのだから。
 Nは,最初は我慢していたが,ある時,
 「来週の土曜は俺・・・いないから」
 と宣言した。
 しかし,社長は次の土曜もNのところに泊まった。
 そう,社長はNが家にいることを第六感で感じ取っていたのである。
 社長はエスパーでもあった。

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