『社長 vol.20』
社長がR町に赴任してからというもの,H海道のガソリンの消費が激しくなった。
それは,社長がR町からS幌市に通っていたからである。
R町からS幌市までは距離にして,500kmはあった。
時速50kmで10時間である。
まあ,H海道では,平均時速は60kmくらい簡単に出せるけれども,それでも8時間以上である。
ここまで来ると,常軌を逸している。
何せ,毎週なのであるから。
しかもこの頃の学校は週休2日制ではなかった。
土曜日は半ドンだったのである。
さすがは社長。
執念である,FZKに対しての。
ここまで来ると我々は社長を崇拝してしまっていた。
午後一番に出発しても,S市に到着するのは,9時頃である。
そして,社長は運転の疲れも見せず,FZK店に直行するのである。
皮切りは,社長のホームグランドである『プ○シーキャット』。
ここで,まず1週間のスペ○マを『69』によって放出するのである。
社長が言うところの「まずは一服」である。
そして次に安いソ○プランドに行く。
お気に入りは「女○院」であった。
「軽く一杯」である。
更に,ちょっとお高めのソープに行く。
「最後の締め」である。
こうして,社長は毎週,オイルメジャーと怪しげなFZK関係者と日本の景気のために血税を貢いでいた。
しかし,ホテル産業には貢いでいなかった。
S市に住む,大学の友人であるNのところに泊まっていたのである。
社長なりの節約術である。
Nにとってはいい迷惑である。
それはそうだ。
毎週,せっかくの土曜の夜を社長と過ごさなければならないのだから。
Nは,最初は我慢していたが,ある時,
「来週の土曜は俺・・・いないから」
と宣言した。
しかし,社長は次の土曜もNのところに泊まった。
そう,社長はNが家にいることを第六感で感じ取っていたのである。
社長はエスパーでもあった。
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